テラ・アニマの物語へ、ようこそ。 これまでは、国や主君への忠誠を誓う、レオやシバマルのような騎士や武士の物語をお届けしてきました。
しかし、広大なテラ・アニマには、そうした組織に縛られず、己の心の羅針盤だけを頼りに生きる者たちも数多く存在します。
シリーズ第三話の主役は、そんな自由な魂の持ち主。灼熱の砂漠ザハラを駆け巡り、伝説のお宝を追い求める冒険家――**お宝ハンター「フェネック」**です!
好奇心という名の、止まらない衝動
「退屈」という言葉が、彼女の辞書にはありません。 大きな耳でどんな些細な噂も聞きつけ、面白そうな匂いがすれば、砂漠の砂嵐よりも速く駆けつけてくる。それが、お宝ハンターのフェネックです。
彼女にとって「お宝」とは、金銀財宝そのものよりも、「まだ誰も見たことのないもの」「忘れ去られた物語」を見つけ出す、その瞬間のワクワクに他なりません。いたずら好きで、人を驚かせるのが得意なのも、すべてはその好奇心の裏返し。彼女の周りでは、いつも何か面白いことが起こります。
伝説が生まれる場所、砂漠の市場
フェネックの故郷は、様々な種族のキャラバン(隊商)が行き交う、灼熱の砂漠ザハラにあるオアシスの街。 幼い頃から、遠い国から来た商人たちが語る「空飛ぶ島」「黄金の都」「しゃべる古代兵器」といった伝説の数々を、目を輝かせて聞いて育ちました。
「物語がそこにあるなら、本当かどうか、この目で確かめなきゃ!」
ある日、ガラクタ市で手に入れた古びたコンパスが、突如として誰も知らない方角を指し示したことから、彼女の冒険は始まりました。コンパスが導いた先にあったのは、砂に埋もれた小さな古代遺跡。そこには、歴史の教科書には載っていない、小さな王国の忘れられた物語が眠っていたのです。 この最初の発見の喜びが、彼女を生涯の冒険へと駆り立てる原動力となりました。
冒険を彩る、頼れる(?)仲間たち
一人でどこへでも行ってしまうフェネックですが、広大な砂漠の冒険には、信頼できる仲間もいます。
- 魔法剣士「コンすけ」(悪友にして最高の相棒) とある古代遺跡で、最後のお宝を巡って熾烈な(?)罠の仕掛け合いをしたのが、二人の出会い。フェネックの直感と行動力、そしてコンすけの頭脳と要領の良さ。最初はライバルだった二人は、「二人で組めば、どんなお宝も手に入れられる」ことに気づき、今では最高の相棒となりました。フェネックが暴走し、コンすけが呆れながらもスマートにフォローするのが、彼らのいつものスタイルです。
- 神秘の「アルマジロラクル」(謎多き導き手) 砂漠のどこかに住んでいるという、未来を見通す力を持つ預言者。論理派のコンすけは彼の言葉を疑いますが、伝説を信じるフェネックは、冒険に行き詰まると彼の元を訪れます。「星が三度瞬く時、ラクダの骨が道を示す…」といった、詩的で謎めいた神託を、フェネックは持ち前の直感で見事に解き明かし、次なる冒険のヒントにしています。
さて、そんな自由気ままな砂漠の冒険家が、なぜ秩序の国アストリアで、堅物の騎士レオと行動を共にすることになるのでしょうか?
噂によると、彼女があの古代遺跡で見つけたコンパスが、次なるお宝の場所として指し示したのは、なんとアストリア王国の王城の、その地下深く…だったとか。 お宝のためなら、王城にだって忍び込む。そんな彼女とレオの出会いが、平穏なもので終わるはずがありませんよね。
次回は、そんなレオたちのパーティの心優しきヒーラー、**癒しの「アルパカメイジ」**の物語。いつもみんなを優しくサポートする彼女の、秘められた過去とは…?
どうぞ、お楽しみに!

