異世界転生キャラたちの冒険 第3話:北へ。大森林エルドリアの影

hawkarcher-wolfmaster 異世界転生キャラたちの冒険

テラ・アニマの物語へ、ようこそ。 前回、辺境の村で「呪い」の発生源と思われる、不気味な「黒い氷の欠片」を発見したレオたち。そして、コンパスが指し示したのは、アルマジロラクルの予言にあった、すべての元凶「北」でした。

王都に戻ったレオたちは、国王に「呪いの欠片」を献上し、事の重大さを報告。国王は、これがアストリア王国だけの問題ではなく、テラ・アニマ全土を脅かす危機であると判断し、レオたちに正式な勅命を下します。

「北の果てにあるという、呪いの根源を突き止め、破壊せよ」

王国の運命を背負い、レオたち5人のパーティは、ついに未知なる北の地を目指し、壮大な旅へと出発します。

静まり返った、獣たちの森

北へ向かう最短ルートは、大陸の北西部に広がる、広大な「大森林エルドリア」を横断すること。そこは、多くの動物たちや獣人たちが暮らす、豊かな森のはずでした。

「エルドリアの森なら任せてよ!あそこには美味しい木の実も、珍しい薬草もいっぱいあるんだ!」 お宝ハンターの血が騒ぐのか、フェネックは意気揚々と森へ入っていきます。

しかし、森は不気味なほどに静まり返っていました。 鳥のさえずりも、獣たちの駆ける音も聞こえません。あるのは、木々が風に揺れる音と、自分たちの足音だけ。

「おかしい…」 フェネックが首をかしげた、その瞬間でした。

「グルルルルァァァ!!」

茂みから、目が赤く充血した巨大な熊が飛び出してきました。その体毛の一部は、あの「黒い氷」と同じ、不吉な黒色に染まっています。 「くっ、様子が変だ!呪いに侵されているのか!」 レオが盾を構え、コンすけが魔法剣の準備をします。

戦闘は、あっけなく終わりました。熊は、傷を負うことも厭わず、ただ凶暴に突進してくるだけ。クロネコウィッチの魔法で動きを封じ、レオが峰打ちで気絶させると、その体から黒いオーラが霧のように消え去っていきました。

「なんてこと…森の動物たちまで…」 アルパカメイジが、苦しそうに眠る熊に癒しの光を当てます。 「この森、かなり広範囲に汚染されているみたいだね。この先、こんなのが無数に出てくるかもよ」 コンすけが冷静に状況を分析します。

二つの影との遭遇

その時、レオの耳が、遠くで弦が引かれる、かすかな音を捉えました。 「誰だ!?」 レオが叫んだのと、パーティの足元に鋭い矢が突き刺さったのは、ほぼ同時でした。

「それ以上、森を荒らすな。去れ」

木の上から聞こえた、低く、冷たい声。見上げると、緑のマントを羽織り、弓をこちらに向けて構える一人の獣人が立っていました。その瞳は、まさに獲物を狙う鷹そのもの。

「待ってくれ!我々はアストリアの騎士だ!森を荒らしに来たわけじゃない!」 レオが弁明しようとしますが、射手は弓を緩めません。

「問答無用。この森に『秩序』は不要だ」

一触即発の空気が流れた、その時。 森の奥から、もう一つの、威厳に満ちた声が響きました。

「やめよ、ホークアーチャー。彼らは、ただの侵入者ではないようだ」

ゆっくりと姿を現したのは、体中に歴戦の傷跡が刻まれた、一匹の巨大な狼。その瞳には、森のすべてを見通すような、深い知性が宿っていました。森の獣たちが、彼の後ろに静かに控えています。

「あなたは…森の王、ウルフマスター…!」 コンすけが、その正体に気づき、息を呑みます。

「そして、そちらが孤高のホークアーチャーか。噂には聞いていたが…」

ウルフマスターは、気絶している熊に近づき、その毛に残った黒いオーラの残滓を嗅ぐと、険しい顔でレオたちを見据えました。 「お前たちも、この『呪い』を追って来たのか。この森は、すでに病んでいる。我々も、森を蝕むこの異変の正体を探っていたところだ」

ホークアーチャーが静かに木から降り立ち、ウルフマスターの隣に立ちます。 「森の最深部にある『聖なる泉』が、汚染されている。泉の水は黒く濁り、あの『黒い氷』が、泉の中心で増殖し続けている」

それは、レオたちが見つけた「呪いの欠片」と、まったく同じものでした。

森の王と、孤高の射手。 テラ・アニマで最も気高い、二人の森の守護者との出会い。 レオたちは、この強力な(しかし、一筋縄ではいかなそうな)仲間たちと共に、呪いに汚染された「聖なる泉」の元凶を突き止めるため、エルドリアの森の最深部へと足を踏み入れます。

次回、「異世界転生キャラたちの冒険 第4話:汚染された聖域と、竜の影」 泉を汚染していた者の、意外な正体とは? どうぞ、お楽しみに!

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