異世界転生キャラたちの冒険 第2話:沈黙の村と、呪いの欠片

fennec-meiji 異世界転生キャラたちの冒険

テラ・アニマの物語へ、ようこそ。 前回、アストリア王国に忍び寄る異変、「無気力症」の原因を調査するため、レオ、アルパカメイジ、フェネック、コンすけ、そしてクロネコウィッチの5人は、王都を旅立ちました。

彼らの最初の目的地は、王都から最も離れた場所にある、山あいの小さな村「エルムズ・ホロウ」。報告によれば、この村で最初に「呪い」の症状が確認されたと言います。

静寂に包まれた村

数日間の旅の末、エルムズ・ホロウに到着した一行は、すぐにその異常さに気づきました。 収穫期が近いというのに、畑仕事をする者は誰もいない。子供たちの遊び声も、家々から漏れる生活の音も、一切しない。ただ、不気味なほどの静寂が、村全体を支配していました。

「これは…ひどいな」 レオが顔をしかめ、村の広場へ続く扉を叩きます。

扉を開けたのは、年老いたウサギの獣人でした。しかし、その瞳は虚ろで、何の感情も映していません。レオたちの姿を見ても、驚くでもなく、ただぼんやりと立ち尽くすだけ。

「私たちは王都から来た騎士団の者だ。この村の異変について調査している。村長はどこに?」 レオの問いかけに、老人はゆっくりと首を振り、か細い声で「…さあ…もう、どうでもいい…」と呟くだけでした。

癒しを拒絶する、心の闇

「この方々も、呪いに…?」 アルパカメイジが、倒れるように眠り続ける村人たちに駆け寄ります。彼女はそっと手のひらをかざし、いつものように癒やしの光を放ちました。

しかし、信じられないことが起こります。 彼女の温かい光が、村人の体に触れる寸前で、まるで目に見えない壁に阻まれるかのように、弾かれてしまったのです。 「そんな…私の魔法が…!」 何度試しても、癒やしの光は彼らの心に届きません。それは、ただの病気や怪我ではない、もっと根深く、精神そのものを拒絶する「何か」が巣食っている証拠でした。

「フン、ただの回復魔法じゃ無理みたいだね」 クロネコウィッチが、村の中心にある井戸に手をかざします。「…この水、おかしい。微弱だけど、魔力を感じる。ゾッとするような、冷たい魔力をね」

呪いの欠片

その時でした。村の周囲を調査していたフェネックとコンすけが、慌てた様子で戻ってきます。 「レオ!大変だ!これを見てくれ!」

フェネックが差し出したのは、彼女が村の水源である川の上流で見つけたという、黒く濁った、氷の欠片のようなものでした。それは、周囲の熱を奪うかのように冷たく、見ているだけで不安をかき立てられます。

「アルパカメイジ、この石から何を感じる?」 コンすけに促され、アルパカメイジが恐る恐る手をかざすと、彼女は「ひゃっ!」と悲鳴を上げて手を引っ込めました。 「だめ…これ、さっき村人たちから感じたのと同じ、冷たい『拒絶』の力です…!」

クロネコウィッチがその欠片を睨みつけます。 「間違いない。これが呪いの発生源…あるいは、呪いを増幅させる『触媒』だ。こんな陰湿な魔法、見たことがない」

レオが険しい顔でその欠片を布で包み取ると、フェネックが彼女の「お宝コンパス」を取り出しました。 「ねえ、コンすけ。この石、アストリアで拾ったどの鉱物とも違う。それに…」 コンパスの針は、財宝を指すでもなく、ただ一点、不気味に震えながら、の方角を指し示し続けていました。

「北…」 レオは、アルマジロラクルの予言を思い出します。

――北の星が輝きを失う時、凍てついた大地より、影の城が天を衝く。

「どうやら、これは王国の辺境だけで起きている、小さな異変なんかじゃないらしい」 コンすけが、冷静な声で結論を述べます。 「レオ。ボクたちの最初の任務は、どうやら『調査』から『原因の排除』に変わったみたいだね。このコンパスが指す、北の果てへ、行くしかないだろう」

ついに、目に見える形で現れた「呪いの欠片」。 そして、それが指し示す、予言の地「北」。 レオたちパーティの、本当の冒険が今、始まろうとしています。

次回、「異世界転生キャラたちの冒険 第3話:北へ。大森林エルドリアの影」 彼らの行く手を阻む、最初の試練とは? どうぞ、お楽しみに!

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