テラ・アニマの物語へ、ようこそ。 前回、地下水路の番人ヒュドラの猛攻を、ホークアイとくまモンクの連携、そしてクロネコウィッチの機転で切り抜けたレオたち一行。
暗く湿った地下迷宮を抜け、ようやく辿り着いたのは、冷たい鉄格子が並ぶ「地下牢獄エリア」でした。
静かすぎる牢獄
「シバマル殿は、このエリアのどこかにいるはずだ」 ホークアイが声を潜めます。
しかし、牢獄の中は奇妙なほど静まり返っていました。看守の姿もなく、囚人たちのうめき声も聞こえません。ただ、一つだけ、奥の独房から不思議な音が聞こえてきます。
ペタッ、ペタッ。
壁を手で叩くような、乾いた音。 レオたちがその独房を覗き込むと、そこには一羽のオウムがいました。派手な道化師の衣装を着た彼は、何もない空中で手を動かし、まるで「見えない壁」に閉じ込められているかのようなパントマイムを演じていたのです。
「……何をしているんだ?」 フェネックが呆気にとられて尋ねます。
オウム――**ものまね「パロットマイム」**は、レオたちに気づくと、大げさに驚いた表情を作り、口パクで「助けて!」と叫ぶ仕草をしました。
言葉なきSOS
「言葉が通じないのか?」 コンすけが尋ねると、パロットマイムは首を横に振り、また別のパントマイムを始めました。 今度は、刀を構えるポーズ。そして、大勢の敵と戦い、傷つき、倒れる仕草。最後に、どこか遠くを指差すポーズ。
「刀……侍……? まさか、シバマルのことか!」 レオが叫ぶと、パロットマイムは嬉しそうに拍手し、親指を立てました。
「あいつ、言葉を封じられているのか、それとも喋る気がないのか……」 リルドラがいぶかしげに見つめますが、ホークアイだけは、興味深そうにパロットマイムの動きを観察していました。 「いや、これは彼の『芸』であり、同時に『暗号』だ。見ろ、指差している方向。あれは、この牢獄のさらに奥、処刑場の方角だ」
道化師の真意
「処刑場だと!?」 レオが顔色を変えます。「シバマル殿が危ない!」
「急ごう!」 一行が走り出そうとした時、パロットマイムが鉄格子を掴み、激しく揺さぶりました。 「出してくれ」というアピールです。
「置いていくわけにもいかないわね」 クロネコウィッチが指を鳴らすと、鉄格子の鍵が溶け落ちました。 自由になったパロットマイムは、大げさなお辞儀をして見せると、今度はレオたちの先頭に立って走り出しました。その背中は、「案内するよ!」と語っているようでした。
走りながら、ホークアイが呟きます。 「あのオウム……ただの道化ではないな。私の気配察知にも引っかからなかった。相当な手練れだ」
パロットマイムの案内で、一行は複雑な牢獄の通路を迷うことなく進んでいきます。 しかし、彼らがたどり着いた処刑場の入り口には、すでに魔王軍の精鋭部隊が待ち構えていました。
そして、その中央には、傷つき倒れたシバマルと、彼を見下ろす巨大な影が……。
次回、「異世界転生キャラたちの冒険 第14話:処刑場の決闘! 侍の義と道化の涙」 絶体絶命のシバマル。彼を救うためにパロットマイムが見せた、起死回生の「大技」とは? どうぞ、お楽しみに!

