異世界転生キャラたちの冒険 第12話:潜入!地下水路と、迷宮の番人

Hydra 異世界転生キャラたちの冒険

テラ・アニマの物語へ、ようこそ。 前回、魔王の領域である荒野で、ヒノモト皇国の忍び**「ホークアイ」とまさかの遭遇を果たしたレオたち。 彼がもたらした情報は、共通の敵である魔王の存在と、忠犬サムライ「シバマル」**が城に捕らえられているという衝撃の事実でした。

利害が一致した一行はホークアイを仲間に加え、総勢10人の大所帯となって、影の城への侵入を開始します。

光の届かぬ地下迷宮

ホークアイが案内したのは、枯れ果てた巨大な古井戸の底にある、隠された横穴でした。 「ここは、かつて城が建設された際に使われていた古い水路だ。今は廃棄され、魔王軍の地図にも載っていない」

ジメジメとした冷気と、鼻を突く腐臭。 松明の明かりだけを頼りに進む地下水路は、まるで巨大な生物の腸の中のように入り組み、どこまでも続いています。

「うう、お宝の匂いどころか、カビの匂いしかしないよ…」 フェネックが鼻をつまんで愚痴をこぼします。 「静かに」 先頭を行くホークアイが、鋭く制しました。「この水路には、厄介な『番人』が住み着いている」

音を喰らう蛇

ホークアイが足を止めた先には、広大な地下湖が広がっていました。対岸へ渡るには、崩れかけた細い石橋を渡るしかありません。

「見ろ」 ホークアイが懐から小石を取り出し、湖面へと投げ込みました。 ポチャン、と小さな水音が響いた、その瞬間。

バシャァァァン!!

静寂を切り裂き、湖面から巨大な**「多頭の蛇(ヒュドラ)」**が飛び出してきました。その目は退化して無く、代わりに不気味に発達した耳のような器官が、ピクピクと動いています。 蛇は、小石が落ちた場所を一瞬で噛み砕くと、再び水の中へと姿を消しました。

「**『聴覚』**だけで獲物を探知する魔獣だ。少しでも音を立てれば、骨も残さず喰われるぞ」 ホークアイの言葉に、一行に緊張が走ります。

「音を立てずに、あの細い橋を渡れって言うのかい? 10人もいるのに!?」 フラミンが青ざめます。彼女の情熱的なステップも、ここでは命取りです。 カナリアンも、その喉を震わせることはできません。

「ボクが空から囮になろうか?」 リルドラが提案しますが、ホークアイは首を振ります。 「奴の触手は天井まで届く。空中に逃げ場はない」

「無」になるための連携

進退窮まった一行。しかし、ここで意外な人物が前に出ました。 くまモンクです。

「…気配を消すことならば、拙僧の修行の初歩に過ぎん」 彼は静かに呼吸を整えると、まるで空気の一部になったかのように、その存在感を消しました。 「ホークアイ殿。貴殿と私で先行し、対岸で陽動を行う。その隙に皆を渡らせればよい」

「…ほう。面白い」 ホークアイの口元が、布の下でわずかに緩みました。

作戦はこうです。 まず、気配消しの達人であるホークアイとくまモンクが先行して橋を渡り切る。 その後、二人が対岸でわざと音を立ててヒュドラの注意を引きつけ、その隙にレオたちが一気に渡る。

「行くぞ」 合図もなく、二人は同時に駆け出しました。 忍びの足運びと、武道家のすり足。二人の動きは風のように静かで、水面を揺らすことさえありません。ヒュドラは水中で微動だにせず、彼らの通過に気づきませんでした。

無事に対岸に着いた二人は、互いに頷き合い、同時に壁を蹴りました。 「ここだ!!」 轟音と共に放たれたくまモンクの拳と、ホークアイの手裏剣が、ヒュドラの注意を完全に引きつけます。

「今だ!走れ!」 レオの号令で、残りの8人が橋を駆け抜けます。 ヒュドラが怒り狂って触手を伸ばしますが、クロネコウィッチが即座に「防音の結界」を橋の周りに展開。足音を消すことで、ヒュドラの狙いを逸らしました。

間一髪で地下湖を突破した一行。 「ふぅ、生きた心地がしなかったよ…」 フェネックがへたり込みますが、ホークアイの目はすでに先を見据えていました。

「ここを抜ければ、城の地下牢獄エリアに出る。シバマルが生きているなら、そこだ」

しかし、彼らはまだ知りませんでした。 地下牢獄には、彼らを待ち受ける**「もう一人の道化師」**がいることを。

次回、「異世界転生キャラたちの冒険 第13話:鉄格子の向こうの道化師」 シバマル救出に向かったレオたちが出会ったのは、牢屋の中でパントマイムをする奇妙なオウムでした。 どうぞ、お楽しみに!

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