テラ・アニマの物語へ、ようこそ。 前回は、純粋な心で幻と現実を繋ぐ「ユニコーンサモナー」の、夢見るような物語をお届けしました。彼女が遠い国の騎士に憧れを抱く一方で、その騎士を全く別の感情で見つめる者がいます。「大陸一の称号は、このボクのものだ!」シリーズ第七話の主役は、その騎士レオを一方的にライ”バルと定め、空の頂きを目指す、誇り高き小さな竜騎士――**飛翔ドラグーン「リルドラ」**です。その小さな体に、誰よりも大きな誇りを宿してリルドラは、雲を貫く峻険な山脈に住まう、伝説の竜族の末裔です。 彼の先祖は、その巨大な翼で空を支配し、口から吐く炎は山をも砕いたと伝えられています。しかし、偉大なる竜族の血を引いて生まれたリルドラの体は、なぜか他の竜と比べて、とても、とても小さいものでした。同族たちからの「本当に竜族の末裔なのか?」という憐れみと侮りの視線。その中で育ったリルドラの心には、誰よりも大きな反骨心と、己の血を証明するための、燃えるような誇りが宿りました。「大きさで劣るなら、技で、速さで、誰よりも強くなればいい!」彼は、自分より何倍も大きな竜たちが力に任せた修行をする中、ただ一人、己の小ささを武器に変える道を選びます。大空を誰よりも速く、誰よりも鋭く舞うための飛行術。巨大なランスを、体の小ささを活かした回転力で正確に操るための、血の滲むような反復訓練。 彼のプライドは、決して血筋だけから来るものではありません。それは、誰にも負けないと自負する、努力の結晶なのです。なぜ、騎士レオをライバル視するのかそんなリルドラが、なぜ会ったこともないアストリアの騎士レオを、宿命のライバルと定めたのでしょうか。それは、彼が求める「大陸一」という称号が、ただの自己満足ではないからです。 リルドラが欲しいのは、テラ・アニマの誰もが認め、疑うことのない、絶対的な「最強の証」。そして今、吟遊詩人たちが大陸中で歌い上げる「最強」の象徴こそが、アストリアの若き守護騎士「レオ」でした。 民を守る無私の剣、どんな敵にも屈しない不屈の魂。レオの英雄譚は、リルドラの耳には、己が超えるべき、最も高く、輝かしい壁として響いたのです。「アストリアの守護騎士…。そいつを倒せば、ボクが真の竜族だと、誰もが認めるだろう」今日もリルドラは、遠いアストリアの空を睨みつけながら、槍を構えます。その小さな瞳に映るのは、まだ見ぬ好敵手の姿。彼にとってレオとの戦いは、己のすべてを賭けて、その存在価値を証明するための、運命の舞台なのです。誇りとコンプレックスを翼に変えて、大空を駆けるリルドラ。 もし、彼がその槍の矛先を向けるレオ本人に会ったとしたら…二人の間には、一体どんな物語が生まれるのでしょうか。さて、次回はがらりと視点を変えて、森の奥深く、多くの動物たちを惹きつける、不思議なカリスマを持つあのキャラクターの物語です。 どうぞ、お楽しみに!
診断キャラたちの裏話 第7話:空に焦がれる小さな竜、リルドラ
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